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久留里城(君津市)|「雨城」の異名を持つ山城と久留里の名水を巡る

目次

久留里城の魅力

「雨城」の異名を持つ房総の名城

久留里城は、千葉県君津市久留里にある城で、別名「雨城(うじょう)」「霧降城」「浦田城」とも呼ばれています。「雨城」という異名は、「久留里記」によれば「城成就して、三日に一度づつ雨降る事二十一度なりしかば」とあるように、築城の時期に不思議に雨が続いたという伝説に由来します。また「この山にはよく霧がかかり、遠くから見ると雨が降っているように見え、城の姿が覆い隠されて敵の攻撃を受けにくかった」ともいわれています。小櫃川と山々に囲まれた久留里は天然の要塞として、古くから城が築かれてきました。明治維新により廃城されるまで、里見氏、大須賀氏、土屋氏、黒田氏をはじめ数々の城主の居城となり、房総半島の中・近世城郭の代表格として、往時の面影を今に伝えています。

戦国時代を駆け抜けた激戦の舞台

久留里城は室町時代の享徳年間(1452年〜1455年)に真里谷武田氏により真里谷城の支城として築かれたと伝えられています。1535年頃、里見義堯はこの地を本拠とし、古久留里城の下に新たに現在の城地に久留里城を築きました。里見氏は久留里城を本格的に改修し居城としましたが、その後は小田原北条氏の侵攻を幾度となく受け、1564年に北条氏康によって落城しました。しかし、1567年には北条氏を破り、里見氏は久留里城を奪還するなど、激しい争奪戦の舞台となりました。1590年の豊臣秀吉による小田原征伐の後、徳川家康が関東に入封し、久留里城には松平(大須賀)忠政が3万石を与えられ入城しました。忠政は城下町整備に尽力し、後の基盤が出来上がりました。

江戸時代から明治維新まで続いた久留里藩

江戸時代には久留里藩の藩庁として再整備されました。1601年、松平(大須賀)忠政が関ヶ原の戦いの功により3万石加増の上、遠江国横須賀城に転封となると、代わって土屋忠直が2万石で入城しました。土屋氏は1679年に改易となり一時廃城となりましたが、1742年に上野国沼田城より譜代大名の黒田直純が3万石で入城し再び立藩しました。黒田氏は明治維新まで居城し、明治5年(1872年)廃城令により久留里城の歴史は終わりました。江戸時代の有名な学者・政治家である新井白石は、幼少より青年期(18歳〜21歳)まで久留里藩主の土屋利直につかえ、この地で過ごしました。

昭和53年に復元された模擬天守

久留里城は明治5年に廃城となり城の建物は解体されましたが、昭和53年(1978年)、地元民をはじめ多くの人が望む中、本丸跡地に天守閣が再建され、翌年には二の丸跡地に久留里城址資料館も完成しました。静岡県の浜松城天守閣をモデルに造られた模擬天守は高さ15m、鉄筋コンクリートの2層3階建てで、石垣は安山岩を2mの高さに積み四方にまわし、外壁は昔の城と同じように白の漆喰壁と下見板風につくられています。天守閣は展望台になっており、眼下に広がる久留里のまち並みを楽しめます。久留里城は君津市の「次世代に伝えたい20世紀遺産」に指定されると共に、「千葉眺望百景」にも登録されています。

見どころと楽しみ方

久留里城址資料館で歴史を学ぶ

二の丸跡に建つ久留里城址資料館では、「郷土を掘る」「城と武士」「信仰と文化」の3部構成で、市内の出土物や武士の使用した刀剣、鉄砲、調度品、絵馬、神楽道具など様々な展示と解説を行っています。また、君津発祥の上総掘り用具も展示されており、久留里の歴史や文化を深く学ぶことができます。資料館前には、久留里藩主の土屋利直につかえた新井白石の銅像が建てられており、郷土ゆかりの偉人として紹介されています。館内にはA3サイズの縄張図やその他パンフレットも用意されており、久留里城の歴史を詳しく知ることができます。

四季折々の美しい景観を楽しむ

久留里城では、再建された本丸に咲く春の桜、秋のもみじなど、四季により城を美しく彩る姿を楽しむことができます。春には桜が満開になり、久留里城天守閣周辺や資料館駐車場周辺ではソメイヨシノ、オオシマザクラ、ヤマザクラなどが可憐な花を咲かせます。秋には紅葉が美しい景色を作り出し、白い天守閣と赤や黄色に色づいた木々のコントラストが見事です。駐車場から天守閣へ向かう道は坂道や階段が多く、かなりの急勾配の長い坂ですが、登り口に置いてある竹の杖を借りていくことをおすすめします。登った先には、久留里のまち並みを一望できる絶景が待っています。

千葉県唯一の「平成の名水百選」久留里の名水

久留里地区では、清澄・三石山系の山林に降った雨が天然の地層を通る事でろ過され、さらに地下水脈を通ってきた豊富な地下水が、春夏秋冬、24時間、自噴井戸よりこんこんと湧き出ています。明治中期、上総地方で開発された「上総掘り用具」により、各地に自噴井戸が掘られ、人々の生活に無くてはならないものとして大切にされてきました。久留里の町には約200本もの自噴式井戸があり、そのうちいくつかは一般開放されており、誰でも自由に無料で水を汲むことができます。この水は、水質の良さ、水に含まれている有用な成分(炭酸やミネラル、乳酸菌など)、そして美味しいことから「久留里の生きた水」と呼ばれ、平成20年(2008年)6月には千葉県下で唯一「平成の名水百選」に選ばれました。

一般開放されている名水スポットを巡る

久留里駅から徒歩圏内では、商店街を歩いて行くと道路沿いに藤平酒造の井戸、新町の小井戸、高澤の井戸が一般開放されており、地元の住民を中心に多くの人が利用しています。車でお越しの場合は駐車スペースのある新町の井戸、雨城庵の井戸、久留里街道沿いの銘水をご利用できます。井戸の水は地下450〜650mから湧き出ており、縄文時代からの水を含む古代からの贈り物で、定期的に水質検査が行われているので安心です。飲んでみると、まずまろやかさに驚き、後味はクセがなくすっきりしていてとても美味しいです。久留里の地形は雨が降りやすく、雨水が地下水に溶け込み天然ろ過され、湧水が豊富にあると言われています。

名水で作られた地酒を楽しむ

久留里観光交流センター内には「生きた水久留里 酒ミュージアム」があり、君津市の6蔵、富津市の2蔵をあわせた「かずさ8蔵」が造る地酒が並んでいます。多くの酒蔵が江戸時代から代々受け継がれてきたもので、人気の15種類のお酒を試飲・購入することができます。3種600円の地酒に生きた水久留里のペットボトルが付いた飲み比べセットもおすすめです。お酒が苦手な方やドライバーさんには、ノンアルコールの甘酒(200円)が用意されており、酒蔵が造ったこだわりの甘酒は、ほんのりとした甘さとまろやかさが特徴です。施設は観光案内所にもなっており、事前予約で観光ガイドを依頼することも可能です。

👨‍👩‍👧‍👦 家族・カップルにおすすめの過ごし方

家族連れなら、まず久留里城址資料館で久留里城の歴史や刀剣、鉄砲などの展示を見学し、歴史の学習ができます。君津発祥の上総掘り用具の展示は、子どもたちにとって興味深い体験になります。その後、天守閣まで登り、久留里のまち並みを一望する絶景を楽しめます。駐車場から天守閣までの道のりは坂道や階段が多いため、良い運動になり、登った後の達成感も味わえます。春には桜、秋には紅葉を楽しみながら散策でき、四季折々の美しい景観を家族で満喫できます。久留里の町では、一般開放された井戸を巡って名水を味わい、ペットボトルに水を汲んで持ち帰ることもできます。

カップルには、城下町の風情を残す久留里の町並みを散策するのがおすすめです。約200本もの自噴井戸が点在する町は独特の雰囲気があり、江戸時代創業の酒造店の趣あるたたずまいも見どころです。「生きた水久留里 酒ミュージアム」で地酒の試飲を楽しみながら、久留里の名水や先人の技術について学べます。事前に申し込めば、地元のボランティアガイドが無料で井戸巡りのガイドをしてくれます(3人から、2週間前までの予約が必要)。春には桜、秋には紅葉を楽しみながら、天守閣から眺める久留里のまち並みはロマンチックな時間を演出してくれます。名水を使ったカフェや豆腐屋など、名水を生かしたお店も点在しています。

久留里城周辺は歴史と自然が調和した素晴らしい場所で、何度訪れても新しい発見があります。

📸 写真スポットと撮影のポイント

白い漆喰壁と下見板風の天守閣は、春の桜や秋の紅葉との組み合わせが美しく、四季折々の風景が撮影できます。

天守閣展望台からは、久留里のまち並みを一望できる絶景が広がり、山々の景色も楽しめます。

資料館前に建つ新井白石の銅像は、久留里藩の歴史を感じさせる撮影スポットです。

駐車場から天守閣へ続く坂道は、木々に囲まれた趣のある山道で、ハイキング気分を味わえます。

一般開放されている井戸では、こんこんと湧き出る名水の様子を撮影できます。

久留里の町並みには、江戸時代創業の酒造店など歴史的建造物が点在し、城下町の風情を感じられる写真が撮れます。

🚗 アクセス・基本情報

所在地:千葉県君津市久留里448

アクセス: 【電車】

  • JR久留里線「久留里駅」から徒歩約30分

【高速バス】

  • 東京鴨川線・千葉鴨川線「久留里駅前」バス停から徒歩約30分
  • 「久留里城三の丸跡」バス停から徒歩約15分

【車】

  • 圏央道「木更津東IC」から国道410号線久留里方面へ約20分
  • 館山自動車道「木更津東IC」から約20分

駐車場:無料

開館時間:

  • 久留里城址資料館:9:00〜16:30
  • 天守閣:見学自由(展望台として開放)

休館日:

  • 月曜日(月曜日が祝日に重なる場合は開館し、翌日休館)
  • 祝日の翌日
  • 年末年始(12月28日〜1月4日)

入場料:無料

注意事項:

  • 2026年1月現在、天守閣と登城道の一部が立入禁止となっています(久留里城址資料館は開館)。最新情報は君津市公式サイトでご確認ください。
  • 駐車場から天守閣までは、かなり急勾配の長い坂道です。登り口に竹の杖が用意されているので、利用をおすすめします。
  • 森林道と旧登城道は湿気が多く、夏季はマムシ、ヒル、イノシシ、シカに注意が必要です。不安な方は舗装された登城道をご利用ください。

問い合わせ:

  • 君津市経済振興課観光振興係:0439-56-1325
  • 久留里城址資料館:0439-27-3478

公式サイト:

久留里の名水スポット:

  • 新町の井戸(駐車スペースあり)
  • 雨城庵の井戸(駐車スペースあり)
  • 久留里街道沿いの銘水(駐車スペースあり)
  • 藤平酒造の井戸(駅から徒歩圏内)
  • 新町の小井戸(駅から徒歩圏内)
  • 高澤の井戸(駅から徒歩圏内)

生きた水久留里 酒ミュージアム:

  • 所在地:久留里観光交流センター内
  • 営業時間:要確認
  • 地酒試飲:3種600円(ペットボトル付)
  • 甘酒:200円

👍 こんな人におすすめ

「雨城」の異名を持つ久留里城の歴史に興味がある歴史愛好家

房総半島の中・近世城郭の代表格を訪れたい城郭ファン

新井白石が青年期を過ごした地を訪れたい歴史ファン

千葉県唯一の「平成の名水百選」久留里の名水を味わいたい人

上総掘りの技術で掘られた約200本の自噴井戸を見たい人

君津発祥の上総掘り用具の展示を見学したい人

名水で作られた地酒を試飲したいお酒好き

春の桜や秋の紅葉と天守閣の組み合わせを撮影したい写真愛好家

城下町の風情を残す久留里の町並みを散策したい人

🌳 周辺スポットと合わせて楽しむ

鹿野山九十九谷展望台公園:標高380mほどの鹿野山の山頂にあり、千葉の山々を見渡せる絶景スポットで「ちば眺望100景」に認定されています

亀山湖:ダム湖で四季折々に美しい表情を見せ、25橋巡りのサイクリングやハイキング、ボート遊び、釣りなどが楽しめます

清和県民の森:豊かな自然に囲まれた森林公園で、ハイキングやキャンプ、バーベキューが楽しめます

きみつふるさと物産館:地元農家の旬のとれたて農産物や、お酒、加工品、お土産品の販売のほか、喫茶・お食事処があります

濃溝の滝(亀岩の洞窟):SNSで話題になった絶景スポットで、洞窟を通して差し込む光が水面に反射する幻想的な景色が楽しめます

マザー牧場:富津市に隣接する牧場で、動物とのふれあいや体験イベント、絶景が楽しめます

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